恋と旧懐~兎な彼と私~
「さあ?」



『愛深ちゃんっ』



え?

キョロキョロ。



「今なんか言った?」

「いや怖ぇこと言うなよ」

「そう?」

「そ…ううぇ……お前,マジでそれ止めろ。首しまるしビックリすんだろ」

「知らない……っていうかさっきからうるさい」

「あーハイハイ。ふっ……なぁ愛深ぃ」

「……ころすよ?」



小声で騒ぐ2人を見て,私は苦笑した。

集会が終わると,痛みで重くなったお尻を持ち上げて



「俺らこんときだけ隊長だぜ? ダブル隊長ううぇぇい」



なんてふざける健くんと並んで教室に戻る。

そして,クラスメート全員+担任の自己紹介と言う慣例の授業をこなすと,扉をノックする音がした。



「お? 入れ」



担任となった若い男の先生が,驚きもせず,心得ていたように言う。
< 127 / 161 >

この作品をシェア

pagetop