俺の気持ちに気づけよ、バ~カ!


「私ね、
 自分磨きよりオシャレより、
 亮くんと優くんの
 サッカーを応援したいんだもん」


また、そう来たかぁ。

璃奈の家族第一なとこ、
相変わらずだな。


疲れているはずなのに
俺の前で、
絶対に弱音を吐かないし。




美味そうなミルクチョコケーキ色の
髪を揺らして、

全部の歯が見えるくらい
全開で笑ってんのは、あれだろ?


俺に
心配をかけたくないからだろ?


はぁ~~~。

ほんと情けねぇよな、俺って。


クマができるほど
しんどい思いをしている璃奈に、
頼ってもらえないんだからさ。


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