偶然から始まった恋の行方~敬と真理愛~
「心配かけてすみません」
「気にするな。これもおじの務めのうちだ」

こんな形でおじさんを巻き込みたくはなかった。
自分の情けない姿を見せたくもなかった。

「心配するな、高城がこれ以上つべこべ言うようなら私が対応することもできる」
「はい」
これでまたおじさんに頭が上がらなくなるな。

こうやって頭を下げるのは2年ぶり。塙くんの事件の時『環を守ってください』とお願いして以来。
結局俺には、切羽詰まった時に頼る人がおじさんしかいないんだ。

「お前がこっちに戻ってきたら私との関係を公表するつもりだ。いいな?」
「はい」
今の俺に拒否権はない。

「それと、」
そこまで言っておじさんの言葉が止まった。

「どうしました?」
なんだか言いにくそうな話みたいだが・・・
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