偶然から始まった恋の行方~敬と真理愛~
その後すぐにおばさんへ連絡を入れた。

「しばらく泊めたい人がいるんです」
と言った俺は、
「あらお友達?」
とおばさんに聞かれ、
「結婚するつもりの女性です。実は子供もいて」
告白した。

一瞬の沈黙があり、
「わかったわ」
と了承してくれたおばさん。

さすがに、「発熱した赤ん坊も一緒です」と伝えると絶句されたが、
最後には「気を付けていらっしゃい」と言ってもらった。



「じゃあ真理愛、行こうか」
「うん」

救急外来に支払いを済ませ、皆川先生と環にお礼を言って、もしものために紹介状ももらった。


「大丈夫かなあ?」
緊張した表情の真理愛。

敬也は点滴が効いたようで、環が貸してくれたチャイルドシートの上でよく眠っている。

「大丈夫、俺が付いているから」
真理愛の手を包み込むように重ね心配ないよと繰り返した。
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