辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2
 グラスの中のブランデーがゆるりと揺れると再び芳醇な香りが辺りに漂い、コクりとセシリオの喉が上下する。サリーシャはじっとその様子を見守ってから、待ちわびたようにこてんと頭をセシリオの肩に預ける。

 頭上からフッと小さな笑い声が漏れ聞こえ、また優しく髪を撫でられる感覚がした。

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