素直になれない…
答え合わせ
奏多さんのマンションから、雄平の家に戻った。

その間、車の中でも雄平は無言のままで、重苦しい空気が流れた。

きっと、昨日約束を破って家に連絡しなかったことに怒っているんだろうと、私の方から話しかけることもしなかった。


「話があるんだ、座ってくれる?」
「うん」

雄平と向かい合ってソファーに座った。

「俺たちはセフレなのか?」
「それは・・・」

そうはっきり言われると、答えにくい。
でも、雄平には彼女がいる訳で、やっぱりセフレってことになるんだろう。

「藍」

ん?

「結婚しよう」
「ダメだよ」
「何で?」
「だって・・・」

人の不幸の上に成り立つ幸せなんて間違っている。
妊娠を盾に彼女さんから雄平を奪うようなことをしたら、私は一生後悔する。
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