あやかし戦記 闇の中の流星
生贄
そして数日後、イヅナとレオナードとヴィンセントの三人はパルマー村へと向かう。国内での任務のため、移動がまだ楽だ。

「列車で二時間かぁ〜……。国内だから全然我慢できるぜ。国外だとさらに船に乗ったりしないといけない場合もあるからさぁ〜」

レオナードがサンドイッチを食べながら言い、イヅナは「レオナードって子どもと一緒よね」と笑う。ヴィンセントは窓の外をぼんやりと見つめていた。

今回の任務では、ツヤたち三大戦闘員も来てくれる予定だったのだが、凶暴な妖が出たという情報が出たため、ツヤたちは先にそっちの任務にあたることになったのだ。

「ドラゴンなんて、私たちだけで倒せるのかしら?今まで倒した妖のどれよりも大きいはず」

任務のことを考え、イヅナが胸の中にある不安を吐き出すと、ヴィンセントがようやくこちらに顔を向ける。

「そんなに深く考えなくていいでしょ?ベラの話が本当かわからないんだし」

「まだそんなことを言うの?」
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