あやかし戦記 闇の中の流星
番外編一 もしも、アレス騎士団員じゃなかったら
「イヅナちゃん、この前任務で助けた子どもたちから手紙が届いてるわよ」

イヅナがギルベルトに呼び出された際、チェルシー・モールバラに声をかけられる。その手には可愛らしいウサギの絵が描かれた封筒があった。

「ありがとうございます!それにしても、手紙を書いてくれるなんて嬉しいわ……」

この前助けた子どもたちの顔を思い浮かべながら、イヅナは手紙をそっと撫でる。手紙を助けた人から貰うのは初めてで、イヅナの胸の中は喜びでいっぱいだった。

「何て書いてあるの?」

エイモン・ウィーズリーが興味津々と言った顔でイヅナを見つめ、イヅナは手紙を開けて読み始めた。そこには助けてもらったことに対する感謝と、一つの質問が書かれている。

「もし、普通の人だったら皆さんはどんな仕事に就きたいですか?」

イヅナがその質問部分を読み上げると、「はいはいは〜い!」とレオナードが真っ先に手を挙げる。

「俺は消防士になりたい!火事で逃げ遅れた人をかっこよく助けるんだ。ヴィンセントは?何かある?」
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