初恋は海に還らない
ひとしずくの涙




 濡れたTシャツは水分を含んで肌に張り付いて気持ちが悪いし、髪の毛だってパリパリになっている。


 自転車とはいえ坂道を上るのは疲れるし、日差しは容赦なく私に照り付ける。


 けど、私は止まれなかった。ただ真っ直ぐ、会いたい人のいる場所を目指した。




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