社長さんの溺愛は、可愛いパン屋さんのチョココロネのお味⁉︎
「くるみちゃん、めちゃ(ぶっ)可愛い」

 唇を離してくるみを真正面から見下ろして思ったままを口にしたら「恥ずかしいけん、言わんちょいて?」とか……煽られているようにしか思えない実篤(さねあつ)だ。

「ね、くるみちゃん。このまま進めても構わん?」

 今のキスの感じから、積極的に誘ってはくれたけれど、くるみはそれほどこういう行為に慣れていない気がして。

 ヘタレワンコを返上すると心に決めつつも、実篤は一応年上の節度ある彼氏として、そこだけは確認せずにはいられない。

 もしくるみの言う「食べて」と、実篤の思うそれとにズレがあったら大変だからだ。

 実篤としては是非ともこのまま続行したいところだけど、くるみの意志が最優先事項であることに変わりはない。

 キミに触れることを躊躇わないとくるみに宣言するのと、無理矢理押さえつけて行為を進めるのとでは全く違うから。


 くるみが恥ずかしそうに視線を逸らしながらも小さく頷いたのを確認して、実篤は応接間ではなくこの部屋を選んだ寝具以外の〝もうひとつの理由〟に手を伸ばした。
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