社長さんの溺愛は、可愛いパン屋さんのチョココロネのお味⁉︎
「さっきも言うたじゃん? 謝らんでええよ?って」

 うつむいたままのくるみの顔に触れるとそっと上向かせて。
 ついでに自分の方を向かせるように誘導すると、実篤(さねあつ)は「――けど、何でそんなに謝らんといけんと思うちょるんかは知りたいな? 俺にも分かるように言うてくれる?」と畳み掛けた。

 こんなに謝ると言うことは、くるみにだってきっと、何か思うところがあるはずだから。
 どうせなら、そこを汲み取ってあげたいと思った実篤だ。

「うち、さっき、ヤキモチ妬いてワガママ言うてしもうたけん……」

 ややしてポツンとくるみがつぶやいて。
 実篤はヤキモチ?と疑問に思いながらも、くるみが先を話しやすいように敢えて口を挟まなかった。

「実篤さんの〝可愛いコスプレ姿〟はうちが一番最初に見たかったんですっ! なのに――」

 そこでやっと「ああ」と腑に落ちた実篤だ。
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