eスポーツ!!~恋人も友達もいないぼっちな私と、プロゲーマーで有名配信者の彼~
第3話:炎上
『早くハルに会いたいな』
ヤマトから来たメッセージに、トクン……と胸が高鳴る。
マンダムさんの家でオフ会をしてから一週間。
私は時々ヤマトと連絡を取っていた。
ヤマトは実際に会った時よりもメッセージアプリの方が饒舌だ。顔を合わせない分、話しやすいのかもしれない。
と、いってもほとんどはアタックウォリアーズの話だけど。
次回のアップデートでキャラクターの仕様変更があるかもしれないとか、ヤマトなりのキャラ別相性論を送ってくれたりという感じ。
だから、今日いきなり『会いたい』なんて連絡がきたことに驚いている。
どう返事していいのかわからず、待っているとヤマトから追加のメッセージが届いた。
『ごめ、違う! あの会いたいっていうのは一緒にゲームしたいって意味で、ほら、オンラインでも対戦できるけど、オンラインとオフラインでは遅延があるだろ? 数フレームの差も俺たちには大事なものだし! でもゲームのためだけに会いたいってことでもないんだけど、とにかく変な意味じゃないから!』
……いや、私は違わなくてもいいんだけどね。
でも、さすがに『あのヤマト』が私に特別な感情を持ってくれるなんてのは、夢を見すぎだよね。
私はひとつ深呼吸をしてから、返信を打ち始める。
『大丈夫! わかってるから安心して♪ やっぱり対戦もオンとオフじゃ感覚違うもんね。みんなのスケジュールが合えば、またオフ会したいね。これから配信でしょ? 頑張ってね!』
メッセージを送信すると、既読はすぐについた。
『ありがとう! ハルもバイト頑張って』
バイトに行く前、少しだけヤマトの配信を覗いてみる。
「こんにちはー。今日はオンライン上位マッチをしていきます」
ヤマトが配信を始めると、配信の視聴者数は瞬く間に増えていく。
800人近い人達が色々なコメントをして、ヤマトからの返答を待っていた。
そんなすごい人物と実際に会って、しかも連絡先まで交換しているなんて……未だに夢なんじゃないかと思う。
バイト終わったらアーカイブ配信を見ようっと。
今日はこれを楽しみにどうにかバイトを乗りきろう。
日曜日のお客さんの多さを考えると憂鬱な気分になるけれど、少しでも楽しみがあると頑張れる。オフ会も交通費だってかかるし、次のためにもバイトは頑張らないと!
私は鏡の前に立つと、作り笑顔をしてみる。
「よし、行ってきます!」
「気をつけてねー」リビングから、お母さんが声だけで見送ってくれた。
外は曇り空で、7月特有の湿気がある。自転車を漕ぎだすと、雨が降る気配を感じた。
ヤマトから来たメッセージに、トクン……と胸が高鳴る。
マンダムさんの家でオフ会をしてから一週間。
私は時々ヤマトと連絡を取っていた。
ヤマトは実際に会った時よりもメッセージアプリの方が饒舌だ。顔を合わせない分、話しやすいのかもしれない。
と、いってもほとんどはアタックウォリアーズの話だけど。
次回のアップデートでキャラクターの仕様変更があるかもしれないとか、ヤマトなりのキャラ別相性論を送ってくれたりという感じ。
だから、今日いきなり『会いたい』なんて連絡がきたことに驚いている。
どう返事していいのかわからず、待っているとヤマトから追加のメッセージが届いた。
『ごめ、違う! あの会いたいっていうのは一緒にゲームしたいって意味で、ほら、オンラインでも対戦できるけど、オンラインとオフラインでは遅延があるだろ? 数フレームの差も俺たちには大事なものだし! でもゲームのためだけに会いたいってことでもないんだけど、とにかく変な意味じゃないから!』
……いや、私は違わなくてもいいんだけどね。
でも、さすがに『あのヤマト』が私に特別な感情を持ってくれるなんてのは、夢を見すぎだよね。
私はひとつ深呼吸をしてから、返信を打ち始める。
『大丈夫! わかってるから安心して♪ やっぱり対戦もオンとオフじゃ感覚違うもんね。みんなのスケジュールが合えば、またオフ会したいね。これから配信でしょ? 頑張ってね!』
メッセージを送信すると、既読はすぐについた。
『ありがとう! ハルもバイト頑張って』
バイトに行く前、少しだけヤマトの配信を覗いてみる。
「こんにちはー。今日はオンライン上位マッチをしていきます」
ヤマトが配信を始めると、配信の視聴者数は瞬く間に増えていく。
800人近い人達が色々なコメントをして、ヤマトからの返答を待っていた。
そんなすごい人物と実際に会って、しかも連絡先まで交換しているなんて……未だに夢なんじゃないかと思う。
バイト終わったらアーカイブ配信を見ようっと。
今日はこれを楽しみにどうにかバイトを乗りきろう。
日曜日のお客さんの多さを考えると憂鬱な気分になるけれど、少しでも楽しみがあると頑張れる。オフ会も交通費だってかかるし、次のためにもバイトは頑張らないと!
私は鏡の前に立つと、作り笑顔をしてみる。
「よし、行ってきます!」
「気をつけてねー」リビングから、お母さんが声だけで見送ってくれた。
外は曇り空で、7月特有の湿気がある。自転車を漕ぎだすと、雨が降る気配を感じた。