eスポーツ!!~恋人も友達もいないぼっちな私と、プロゲーマーで有名配信者の彼~
「俺はハルと出会えたおかげで、もっとアタックウォリアーズが上手になれると思いました。俺はアイドルじゃありません。プロゲーマーです。本当に俺を応援するなら、この出会いを邪魔しないでください!」


――ヤマトの大きな声に、コメントの流れが止まる。

『なら、ハルが本物って証拠見せてよ。私達が認めるくらいのプレイヤーなんでしょ?』

ぽんっと流れたそのコメントを見て、私は決意した。

涙を腕で拭うと、コメントを打つ。


『8月の大会にエントリーします。そのときに、私のプレイを見て判断してください』

マンダムさんが出る大型大会。参加資格のレートは満たしている。
ヤマトがここまで守ってくれたのに、私だけ泣いているわけにはいかない。

それに、私は気づいた。
熱中できるもの……。
アタックウォリアーズというゲームの存在が、私のなかでこんなにも大きくなっていたことを。


コメント欄はまるでお祭りのような騒ぎになっている。

「ハル……大丈夫なのか?」

心配そうなヤマトに、私はコメントを返す。

『大丈夫です。ゲームにも、中傷にも負けません』

ヤマトもきっとなにかを決意して、私を守ってくれた。
それなら、私だって。
ヤマトが認めてくれたハルというプレイヤーを、守りたい。

画面のなかのヤマトが微笑む。

「わかった。応援してる」


そこには、いつもの優しいヤマトがいた。

私を応援する声。
私を蔑む声。

何もかもが流れていく。


だけど今の私には、ヤマトの笑顔しか映らない。
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