eスポーツ!!~恋人も友達もいないぼっちな私と、プロゲーマーで有名配信者の彼~
第7話:変化
疲れたぁ……。

足が棒のようになっている。
ずっと集中して戦っていたせいか、体が鉛のように重たい。

優勝が決定したあと、トロフィーをもらい会場の片づけを手伝っていた。

ヤマトやソウマさん、マンダムさんと今日の試合の感想を話して、ツバキさんや他の選手とも連絡先を交換したりした。

このままご飯でも、という流れになりかけたけど、お母さんに帰りが遅くなるとも話してないし、断ることにした。

なにより、心身ともに疲れているのを感じていた。

真剣にゲームをするのは、頭も体も使うということが身に染みてわかる。

名残惜しそうにしているみんなに後ろ髪をひかれながらも、会場をあとにしたのだった。

重たいトロフィーを紙袋に入れていたので、指先が痛い。
ようやく、家に着いた。

「ただいまー……」

玄関のドアを開けると、お母さんが転びそうな勢いで玄関に出てきた。

「春菜、あんたどういうことなのよ! ちょっとこっち来て座りなさい‼」

「え、えええ、なに? なんなの⁉」

帰ってきて早々、お母さんは私の手を引っぱってリビングに連れていく。

リビングには、すでにお父さんとお兄ちゃんも座っていた。
ふたりとも真剣な表情でこちらを見る。

なに、私帰り遅かった⁉ でもまだ夜の7時になるかどうかなのに……。
そう思ったときに気づく。

テレビの画面には、青龍杯が映っていた。

「と、とりあえずうがいと手洗いしてくるね……」

なんとなく、話しが長くなりそうな気がした。

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