独占欲強めな御曹司は、溢れだす溺愛で政略妻のすべてを落としてみせる
「……ん、っん」
ナイトウェアの中に細長い指を滑り込んだ指が、結子の身体をするすると撫ではじめる。指先が胸の膨らみを優しく包み込む。
それと同時にベッドに肘をついて身体を起こした奏一が、結子の後頭部に手を入れて甘いキスを繰り返す。そのついでに結子の太腿に自分の股の間をぐりぐりと押しつけてくる動きは、さきほどまでのしんみりとした空気さえ全て吹き飛ばしてしまう。
「結子のために頑張る」
「ちょっとー? そっちはこれ以上頑張らなくていいよー?」
いいと言ってるのに、じっと見つめてキスをする。そのまま軽く開いた唇の間から舌を入れられて、熱を絡ませるように深く口付けられる。
ナイトウェアの中で胸を撫でる手が少しずつ大胆な動きに変わっていく。だからその手が本格的に結子を乱す前に、ちゃんと宣言しておかなければならない。
「優しくしてくれないと、座敷童は出て行っちゃうんだからね」
「それは絶対ダメ。ちゃんと優しくするしいっぱい気持ち良くするから、ずっと俺の傍にいて」
結子の冗談に奏一が本気で焦ったように頬を膨らませる。そんな子どもっぽい表情に笑ってしまうと、つられるように奏一も笑い出す。
もう一度見つめ合って重ねた口付けは、本物の愛になる前の優しくて小さな戯れだ。