恋のチャンスは3日間
「森下」

振り返った森下はビックリしたように俺をみる。
・・泣いたのか。
胸がきゅうっと痛くなって、腕をつかんだまま、アパートのドアを開けて中に入ると、森下をドアの方に押し付けた。

さっきの言葉を確かめたい。

「森下、俺のこと好きなの?」

まっすぐに見つめる。

コクンと頷き

「す・・き・・です。・・・ずっと・すき・・で・・」

たどたどしい告白が、胸に響く。

「ずっとって、いつから?」

自然と胸が熱くなるのがわかる。

「・・・た・ん・・とう・・・」

「担当したとき?って2年も前だろ?」

「・・ん・・」

そんなに前から?

「森下」

嬉しい。

「森下」

私の頬を両手で包むと、ゆっくりと顔をあげさせた。

「そんなに俺のこと、好き?」

もう一回聞かせて。
聞きたい。

「は・い・・・好き・・」

愛しい気持ちが溢れる。
可愛すぎて、堪えきれず唇を重ねてしまう。

「そっか。・・・そっか」

ほんと、嬉しい。

森下をそっと抱き締める。

今度は俺も届けるよ。
森下に俺の気持ちを。

「俺も、好きだよ」

届けた瞬間に涙が滝のように流れ落ちる。

「うう、えっっえっ・・・っ」

泣きながらしがみつく森下を、強めにぎゅっと抱き締めた。
勇気を出してくれてありがとう。


しばらくそのまま抱き締めていたけど、玄関でずっといるのはちょっとな。

「今日は泊まること出来ないけど、終電の時間まで一緒にいるよ」

部屋に入ろう。

「・・・はい」

森下の手をとり、靴を脱ぐと手を繋いだまま部屋に入ってソファーに座った。

森下を隣に座らせて、自分の胸に私の頭を引き寄せる。

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