巻き込んだ。
わたしの、雁字搦めの運命から。

きっと父もそれが分かって、組には入れなかった。

「べつに逃げてたわけじゃない。ただ、わたしは……」
「依知」
「ごめん……虎太朗」
「何の謝罪だ」
「わたしの目の怪我は、コタの所為じゃない」

手をぐっと引っ張られた。凍っていたみたいに地面に張り付いていた足が動く。

「知ってる」

虎太朗は何でもないことのように、答えた。

そのまま歩き出す。見回りの守衛さんが見えて、わたしたちは構内から出た。

外は雪が降り積もり、一面真っ白だった。
踏まれていない雪に、心がざわめく。