雪と虎

駅の周りには人だかりが出来ていた。タクシー待ちのサラリーマンやバスを待つ学生たち。

「……電車止まってたり、しないよね」
「どこをどう見ても止まってるだろ」
「どうやって帰るの!?」
「歩いてたら途中で車が見つか……」

虎太朗が言い終える前にポケットから携帯を出した。耳に当てる。

「はい。……はい、合流しました……ああ、わかりました」

短い通話時間。
携帯をポケットに戻して、こちらを見る。

「無事に車も戻ったらしい」
「無事じゃないのはわたしたちだけってことね」
「傘を買う」

コンビニの方へ歩き出す虎太朗を引き止める。

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