「…おはよ。」
「…」
私、柊 美琴(ひいらぎ みこと)は
隣のクラスの人気者、時山 純(ときやま じゅん)くんが気になって気になって、仕方がない。
…のに。
「……柊さん?…あれ、えっと…九条は…?」
「…ッ」
…緊張してうまく声が出せない。
「…う、にゅい、…!」
「…にゅい?」
…あぁあああーーーー!!!!!!
なぜか時山くんにだけうまくできない、
才色兼備の真面目な天然女子高生
柊 美琴
✖️
なんかいつもちょっと惜しい、
コミュ力おばけの豆柴系男子校生
時山 純
「俺…柊さんが他の男に触られるの、
すげーやだ。」
可愛くてかっこいい時山くんといい感じになるなんて
まるで夢みたいな話。
時山くんを好きだと思う気持ちは確かなのに
胸がモヤモヤして踏み切れないのはなんで?
「こんなとこで何してるの」
知ってるけど知らない、銀髪ピアスの人。
「ずっと一緒にいようね…美琴ちゃん」
似てるけど違う、白昼夢の中のその人。
そして、何か言いたげな不思議な子猫。
でも、
「もし……俺が柊さんを好きって言ったら、困る?」
時山くんは確かにそこにいて、
私は、
「…会いたかった。」
「……こちらこそだよ。」
私は確かに、生きている。
· · ・ ・ ・ ✤ ・ ・ ・ · ·
2022/3/29〜
編集部おすすめ掲載していただきました!
目次
- 蟋九∪繧
- 変な夢、子猫、いつものバス停。
- 栗色の猫っ毛、機能停止の声帯。
- シャトルラン、交差する視線、花のような人。
- 唯の策略、鳴り止まないストップウォッチ。
- 豆柴、ポン介の車、美琴の拳ダコ。
- 邯サ縺ウ
- 少食、密会、貢ぎ物。
- 憧れの人、幼い人、踏切の音。
- 漲る闘志、甘い算段、キヨマサくん。
- 最後の試合、ある夜の景色、ホームラン。
- キヨマサフィーバー、心臓の音、変なダンス。
- 驕募柱諢
- ゴールデン、クリームパン、音楽室。
- 違和感、予感、唯の三白眼。
- 弱い、強い、涙。
- いつかの春、屋上の花、さよならの前に。
- 莨壹>縺溘>
- 視線の先、アイドルオタク、赤か青か。
- 捨てた煩悩、推しの幸せ、名もない約束。
- 橙に染まる。
- つり目の大学生、足元、誰か。
- 君の誠意、私の誠意、甘いソフト。
- 夕映の観覧車、涙声、スーツの人。
- 愛しい、愛しい人。
- おかえり
- これからも、あなたと、この世界で。
- 感謝。
- atogaki