魔法の使い方2 恋のライバル、現る!?
四章
 ミーナとフィルが友達になるのに時間はかからなかった。二人はあっという間に仲良くなり、お互いをよく尋ねるようになった。

 とりわけヴィオルドの愚痴はよく盛り上がる。彼女が訓練場を訪ねたときは、ドルークも交えて愚痴大会がしばしば開催されていた。愚痴られる本人が目の前にいたとしても。

 ヴィオルドは最初こそ怒っていたが、今では半ば諦めた様子で「勝手にしろ」と呆れた表情で見ているだけ。





 陽歌(ヒラルス・カヌトス)は彼らのたまり場となりつつあった。ヴィオルドとドルークは巡回中や非番のときに、必ずと言って良いほど訪れている。フィルも空き時間や休日を利用して通い詰めていた。

 三人がそろったときは賑やかになり、他の客が少ないときはミーナも交えていつも通りヴィオルドと言葉を投げつけ合っている。

「こんな先輩を持ってフィルとドルークはかわいそうに……」

 ため息をつきながら大袈裟に言ってみせる。すかさずドルークとフィルが続ける。

「ほんとっすよ。先輩すぐ怒るんですよ」
「しかも怒らせると怖いんだ。あたしがどれだけ目玉をくらったことやら」
「お前のことはもう諦めてる。三対一だからって全員いい気になりやがって」

 ヴィオルドは分が悪そうに言葉を返す。その直後、店の戸を開けてレネが勢いよく入ってきた。レネが着ている明るいグリーンのクラシカルなドレスがふわりと舞う。

「ミーナ、遊びにきたよ! あ、ヴィオルドとドルークに、……だれ?」
「あたしはフィル。ミーナの友人でヴィオルドの部下だ。こう見えて女さ」
「ボクはレネ! ミーナの友達で、誘拐されたときにヴィオルドとドルークにお世話になったの! こう見えて男だよ!」
「えっ」
「えっ」

 レネとフィルはお互いを見合わせて数秒固まったあと、何かを察したのか同時に頷き、握手を交わした。性別に囚われないもの同志の信頼と友情が、そこに生まれていた。
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