魔法の使い方2 恋のライバル、現る!?
六章
「――ということだ。お前はもう、必要以上に俺と関わらない方がいい」

 ヴィオルドが自らの過去を話し終え、そう締めくくりながらミーナの反応を伺った。しかし彼女はそれを無視して、言葉を返した。

「……なるほど。私、貴方に謝らなきゃ」

 彼女は出会ったばかりの頃、ヴィオルドのことを羨んでいた。何もかもに恵まれ、苦労せず今の地位にいると思っていた。彼への当たりが強かったのは、妬みの感情も含んでいたからだ。

「お前は知らなかったから仕方ない。俺が最初お前に声をかけたようにな」
「でもヴィオルドは嫌々ながらもそのとき謝った。だから、私も謝る」

 ミーナはヴィオルドに深々とお辞儀をして、謝罪の言葉を述べる。

「ごめんね」
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