「お父様、お母様、お兄様……」
エドアルド様に求婚のお返事をした翌日、私は両親とお兄様に話があると時間を取ってもらった。
「シェリー? どうしたんだい?」
お兄様がなかなか言い出さない私を見て心配そうな顔をしている。
自分から言い出すのはなかなか恥ずかしいものだ。だけど、報告しない訳にはいかない。
「エドアルド様からの求婚ですが──、お引き受けしようと思います」
「まぁ! やっぱりそうなったのね」
「エドアルド様なら安心だな」
お母様とお父様は嬉しそうだ。
あれ? お兄様……? なぜか固まっている。
「お、お兄様?」
「わ、私はそんな話聞いていない!」
お兄様はプルプルと震えながら私に訴えかけてきた。
「シェリー、どうして……どうしてなんだ! ずっと家にいるのではなかったのか?」
私だって初めはそのつもりだった。
けれど、エドアルド様の事が好きになってしまった。そして、結婚しても今まで通りの生活を続けられる。