輝きのままで
ちぎれたハート
「え、ピノコ?」

私は、来た道さえわからないのに、走って逃げ出した。

最悪だ…。

高校時代の集まりなら、こんなことも、想定しておくべきだったのに。

涙で視界が霞んでいく。

慣れないメイクまでして、ピエロみたい…。


「ピノコ!」

私は足が遅いから、すぐにシュウジに追い付かれてしまった。

「ごめん!結局ピノコを傷つけるようなことになってしまって…本当にごめん…。言い訳かもしれないけど、沼田は家族で遠方に引っ越したと噂で聞いてたから、まさか来ているとは思ってなくて…」

「いいの、傷つけられることは慣れっこだから」

「そんな…一体誰がそこまで傷つけたりしたんだ…?」

「もういいよ、そんな過去のことは。ごめんね、やっぱりパートナーは私じゃダメだったみたい」
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