輝きのままで
ふたりの第2章
「ずっと待ってるから…」

初めてシュウジが想いを伝えてくれたのは、夏草の香る夜のこと。

いつも優しいシュウジが、前の彼女に対してあんなに激怒した時、きっと今でも彼女を好きなのだと思った。

それにしても、彼が私を好きだと言ったときには耳を疑った。

私を好きになる人なんて、世界中の何処にも居るはずがないと思っていたから。

私自身が誰も愛せない人間だもの、愛されるはずなどないと…。


今もシュウジは、ごく自然に私の隣を歩いている。

郊外のテーマパークで思い切り遊んだ帰り道だ。

背の高さがまるで違うのに、いつも歩幅を合わせてゆっくり歩いてくれること、決して私に車道側を歩かせないこと。

そんなひとつひとつが、彼の優しさで、愛情なんだろうと思う。

優しさだけでは愛せない…そんな言葉を何処かで聞いたことがあるけれど、そうであることを信じたい。
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