輝きのままで
何度か電車を乗り継ぎ、ピノコの住むマンションに着いた。

「じゃあ…おやすみ」

そう言うと、

「ねぇ、シュウジ」

「ん?」

「あの…いつもありがとね。送ってくれて」

「そんなの、当たり前じゃん。もしピノコに何かあったら俺がいちばんツラいからさ」

笑ってそう答えると、ピノコは一瞬何か言おうとした様子だったが、

「ありがとう。おやすみ」

マンションのオートロックを開けて部屋へと戻って行った。

一人で駅へ向かう途中、雪が舞い始めた。
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