<王子のホームステイ>

「高梨さんと仲がいいのですね。
楽しそうです」
王子が微笑んで、言ったので、

綺麗は鼻にしわを寄せて、
冷たくなったお茶をごくっと
飲んだ。

「幼い時からの近所の友達と
いうだけです。
まず、部屋を見てもらえますか」

「ええ、もちろんです」
王子は紳士として育てられたのだろう。
礼儀正しい。

ただ、掃除、洗濯、ご飯、
布団の敷き方など、

日本の日常生活を教えなければ
ならないだろう。

期間限定の・・弟・・でいいか。

「ご飯・・夕飯どうする?
あと、シャンプーとか必要な物を、買い出ししなくちゃね」

そう言いながら、
綺麗は脳みそを回転させていた。

飯は炊飯器に炊き立てがある。

刺身を買ってきて、
味噌汁はわかめとねぎでいいか。
いや、
もう少し安上がりで簡単なら鍋だろう。

白菜ともやしとえのきで増量できるし、〆はおじやかうどんでいい。

買い物はスーパーが遅くまで
開いているから、大丈夫だ。

それに今なら、タイムセールに
なる。
綺麗はすぐ段取りを、脳内で
組み立てる。

「はい、レストラン予約します」
王子がスマホを取り出した。

「ダメだって!
もったいない!!ご飯焚いてあるし」
綺麗の勢いに、王子が驚いた顔をした。

「いい?あなたも一緒に作るんだよ。
私が教えるから覚えてね」

そう、ホームステイなら・・
家族の一員として扱われるから・・
庶民の生活に慣れてもらわねば
ならない。

「ルームシェアだけど、ホーム
ステイね」
綺麗の言葉に、
王子は一瞬、戸惑うような表情を
見せたが、
すぐに笑みを浮かべ、ゆっくりとうなずいた。

「んじゃ、買い出しにいきましょう」
ニカッと笑って、
綺麗はバックから財布を取り出した。