現実主義者の恋愛事情・王子を一時預かりします  レイと綺麗

王子は、日本の生活が物珍しい
のだろう。

色々な質問して、
いちいち面白がってくれる。

「今日は鍋にするから・・
アレルギーとか、
食べられない物何かあるかな?」

綺麗は白菜1/4を持ち、
手の感覚で重さを計っていた。
もちろん重いやつを選ぶ。

「これは・・何と言う野菜ですか?」

「白菜、味は甘いかな。
漬物にもするし、冬の定番野菜で」
カートを引きながら、
綺麗は食材について説明を
していく。
こうやって二人で買い物なんて、
新婚家庭か同棲みたいだけど・・

地元のスーパーでは王子は目立つ
ので、
通り過ぎる人が振り向いていく。

「つゆは、鶏だしか、
海鮮、味噌か、豆乳味噌か・・・」
綺麗はなべの出しつゆパックの前で、立ち止まって悩む。

「いろいろな種類があるのですね」
王子がひたすら感心して言った。

「僕は和食って、てんぷらとか寿司ぐらいしか知りませんでした」
綺麗はフンと鼻をならした。

最初に言っておかねばならない。

食費は切り詰めるし、
贅沢はさせない。

「あの、ホームステイなので、
日本の普通のご飯になるので。
私も仕事があるし、
売っているお惣菜で済ます事も
あるし。」

レジの会計で、王子がすっとカードを出した。
「あの、支払いはこれで」

財布を出しかけた綺麗は、
王子を見上げた。
「じゃぁ、今日はお願いします。
次は私が支払うので、
交代で払う事でいいかな」

おごられっぱなしの人間関係は、
良くない・・
綺麗はそう思っている。
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