あやかし戦記 怪物の城
誓い
パチパチと焚き火が燃えていく音が暗闇の中に響く。イヅナ・クリアウォーターはマグカップに入れられたスープを飲みながら、焚き火を取り囲む仲間たちの姿を見る。

「……さてみんな、明日はついに最終決戦の始まりだ。ミツヒデ・シノノメたちを拘束することができれば、理性を失う妖も出なくなり、多くの人の日常が守られる」

そう話すのは、アレス騎士団の団長であるギルベルト・エーデルシュタインだ。彼が言い終わるのを待って、エイモン・ウィーズリーが手を挙げる。

「ギルベルトくん、自分も悪魔たちと戦うってはっきり言っていたけど大丈夫なの?その腕と目……」

ギルベルトは右目と左腕がない。義手と義眼をつけている状態のため、戦闘からは外れていた。今もギルベルトが動くたび、義手が音を立てている。

「ギルベルトくんの実力はわかっているわ。でも、悪魔たちの戦闘力は三大戦闘員と呼ばれる私たちでも勝てるかどうかわからない。ギルベルトくんは、ここに残っていた方がいいんじゃないかしら?」
< 1 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop