あやかし戦記 怪物の城
覚悟
イヅナたちは、妖を倒しながら城の奥へと進んでいく。奥に進むにつれ、ツヤの目はギラギラと輝き、まるで獲物を狩る前の猛獣のようにイヅナには思える。

「ケケケケケッ!」

「こいつ、ちょこまかと逃げやがって!」

レオナードの周りをサラマンダーが馬鹿にするように飛び回り、レオナードは戦鎌を振り回すものの、刃を軽やかなに避けられていく。

「レオナード、僕が矢で核を壊すよ」

ヴィンセントが矢を構え、サラマンダーの動きをしっかり見て計算をする。だが、ヴィンセントが矢を放つ前にツヤが髪飾りから針を抜き、サラマンダーに向かって投げていた。

「ウギャアッ!」

レオナードに気を取られていたサラマンダーに針は突き刺さり、数秒後には毒が全身に回って苦しみ始める。

「構うだけ無駄だ。……早く行くぞ」

ツヤがそう言い歩き出すので、イヅナたちも後に続く。妖は城の中にもたくさん潜んでいるのだが、悪魔たちの姿は見えない。
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