義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~

『まあ、六花とそういうコトをするようになったとしても、もちろん避妊はするけどね』


 勘違いしていただけで赤っ恥なのに、そんなセリフをしたり顔でさらりと言われ、私は赤面するしかなかった。

 恋人になったのだからゆくゆくは〝そういうコト〟もするのだろうけど、今は考えるだけで鼻血が出そう……。

 ただ、碓氷さんが聖さんを好きなのは本当で、まだ諦めていないらしい。その点だけ不安要素が残るけれど、聖さんはお父様たちの前でも毅然と断ったようだし、彼の気持ちを信じようと思う。

 想いが通じ合った翌日、家族全員がそろった夕飯の席で、聖さんが「ふたりに報告したいことがある」と切り出した。


「俺たち、付き合うことにした」


 単刀直入に告げると、私たちと向かい合う両親はぴたっと一時停止して目を見開いた。ビーフシチューの美味しそうな香りが漂う空気もピンと張り詰める。


「だから、普通の義兄妹にはなれない。父さんたちはそれを望んでいたかもしれないが、俺たちも譲れないんだ」
「……ごめんなさい」


 どんな反応が返ってくるだろうかと、私は緊張しながら頭を下げた。そのまま数秒の沈黙が流れ……。
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