義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~

「吉越さん、これ終わったらメインのレーン手伝ってもらえる?」
「わかりました。今日はアジフライですよね」
「そうそう。私アジフライはタルタルがベストなんだけど、少数派なんだよなぁ」
「私はポン酢派です」
「もっと珍しい流派がいたー!」


 どうでもいい話で盛り上がりつつも手を動かし、ノルマの数を詰め終えた。社員の中にはクセのある人もいるけれど、性格のいい人が多いので楽しく働けている。

 このお弁当、水簾法律事務所の皆さんも食べるんだろうな。

 いつか自分で考えたお弁当を聖さんに食べてもらいたいという目標は変わらないが、こうして少しでも係われているのは嬉しい。今日も一日乗り切るべく、前向きな気分で作業を続けた。


 勤務は栄養士業務に入るまではシフト制なので、平日休みのお昼に四季咲にランチをしにやって来た。

 毎度のごとく、ランチタイムが終わったあとに小夏は私の隣に座り、まかないを食べながら近況を話し合う。


「働き始めてどうよ。慣れてきた?」
「学校とは全然違って、てんやわんやだよ。まずは現場を覚えなきゃいけないから、まだメニュー作成はできないしね。でも皆いい人だから、なんとかやれてる」
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