義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~

 ところが、二十歳の誕生日にその想いを伝えようと考えていた矢先、俺たちはまさかの義兄妹となった。

 法に触れるわけではないし、なにも問題はない。が、六花は俺と家族として生活していくことを望んでいるようだ。

 おそらく両親のことや世間体を気にして、俺たちはその関係でいなければいけないと思っているのだろう。

 彼女は自分より人の気持ちを優先させるが、それを前向きに考えられる子だ。真面目で思いやりがあって、周りも明るくさせてくれる。

 そこが好きなところでもあるし六花の気持ちもわかるから、彼女が望むなら一度家族として暮らしてみればいいと、俺も義兄として振る舞うことにした。それなのに……。


 ──新しい年が始まって数時間後、俺はベッドに六花を組み敷いている。もちろん故意ではなく、事故でだが。

 俺の下で長い黒髪をシーツの上に散らし、酔いで瞳を潤ませる姿が艶めかしい。彼女は俺を映したその目を細め、ふにゃりと微笑む。


「一緒に寝てくれるの?」


 舌足らずな話し方で、普段はしない甘え方をする彼女には、理性が呆気なく崩れそうになった。ドクンと大きく心臓が突き動かされ、抑えきれないなにかがせり上がってくる。
< 89 / 265 >

この作品をシェア

pagetop