【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜
第二章 婚約者候補➀ルイト


 そしてその二日後、三人の王子たち。
 ーーーいや、その日現れたのは、なぜかルイトさんだけだった。

「カルティナ姫、体調はいかがですか?」

「あの……はい、大丈夫です。 今日は、ルイトさんお一人なんですか……?」

 と問いかけると「はい。今日は僕だけです」と答えた。
 
「そう、なんですか」

 いきなり二人きりだと、結構緊張する……。

「姫、歩けますか?」

「……へ?」
 
「少し、近くを散歩しませんか?」

 優しそうな表情でそう聞いてくるルイトさんに、わたしは「は、はい。お散歩、くらいなら……」と答えた。

「では行きましょうか、カルティナ姫」

「……は、はいっ」 
  
 そして手を差し出すルイトさんの手を、わたしはそっと取った。



 二日前の夜、目を覚ましたばかりのわたしに、父は「どうだ? まだ体は痛むか?」と聞いてきた。

「うん、少し。……でも大丈夫よ」

 事故に遭ってからの記憶はほとんどない。 覚えているのは、何かにぶつかったことだけだ。
 気が付いたらわたしは、数週間も眠りについていたそうだ。 命に別状はなかったそうだけど……。
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