【完結】カルティナ姫と三人の王子〜目が覚めたら婚約者が三人いました〜
第一章 現れた三人の婚約者


 ーーーわたしが目を覚ましたのは、それから数週間後のことだった。


【カルティナ!カルティナ……!】

 頭の中で、お父様の声が聞こえる気がした。

 でもなぜだか分からないけど、お父様の顔が見えない。
 お父様……どこ? どこにいるの?
 お父様……会いたいーーー。

「カルティナ……!」 

 そう思ったその時ーーー。

「ーーーんっ……」

 わたしの頭に、ガツンとお父様の声が響いた。
 その声で、わたしはゆっくりと目を開いた。

「カルティナ姫!?」

「姫様!」

「カルティナ姫! 目が覚めたのですか!?」

 ーーーえ? 誰……?

「カルティナ!良かった……。良かった!」

「お父様……?」

 そう、わたしの目の前には確かにお父様の姿があった。ーーーのだが。

「お父様……。あの、こちらの方々は……?」

 わたしの目の前には、お父様の他にもう三人の男性たちがいた。

「カルティナ、こちらの方々はなーーー」

 そしてお父様の口から、衝撃の言葉が走った。

「………。え?」

 お父様、今なんて言ったの……? 
 薄っすらとした意識の中で、ちゃんと聞き取れた気がしなかった。
< 3 / 164 >

この作品をシェア

pagetop