「お前の結婚相手が決まった。喜びなさい、相手はあの高宮 一輝君だ」

 横暴な父によって突然決められた縁談の話。それも相手は十歳以上私と歳の離れた四十間近のオジサンですって⁉
 噂で聞いた高宮 一輝という人物は理想が高くそこらの女性では相手にもしないと男性だという。
 そんな人がなぜ私を選んだりするの?

 良家のお嬢様らしく微笑んで姉との勘違いではないかと父に話すが、縁談が来たのは私で間違いないという。
 すぐに高宮さんとの結婚に向け準備するように言われ、その怒りの矛先は少し前に嫁いだ腹違いの姉へと向かう。

 ——あなたの幸せなんて誰も願っていない。

 でも今を幸せに暮らす姉夫婦の姿に、心が揺れて。
 もし私もこの結婚で何かを得られるのならば、そう願っても良いのだとしたら?

「私に出来る限り、梓乃さんには苦労の無い生活を約束します」

 分かってる、そこに愛は無い。それならば、私にだって考えがあるの。

「私達……契約結婚で、いいですよね?」

 
 迷う素振りも見せず頷く高宮さんに、小さな期待はあっさり砕かれる。でも、もう引き返せない。
 そう思ってたのに……

「梓乃さんには笑顔が似合いますよ」

 そう言って私を戸惑わせる、胸が苦しくなっていく。あなたは笑顔の裏で何を考えてるの――?

 予想していた結婚生活とはまるで違う、優しく甘やかされる毎日に捻くれた自分がまるで乙女にでもなったかのよう。
 本心を見せない笑顔に、振り回される。でもそんな中である話を姉から聞かされて――

二階堂 梓乃 22歳 161㎝
高宮  一輝 38歳 178㎝

表紙イラスト 橘 阿鷹様
       (@atakaofficial)

連載開始2021年2月〜

あらすじ

父に決められた縁談、十以上年の離れた相手なんて絶対嫌。だけど彼の優しい笑顔にトキメいて。そんな大人の恋は予測不能で……?

この作品のキーワード
溺愛  契約結婚  御曹司  年の差  夫婦  切ない  陰険