嘘と、恋。
彼と、彼。
疲れていたのか。


次に目を覚ました時は、昼近くて。


横を見ると、康生さんは既にベッドには居なかった。


扉の向こう、リビングの方から人の話し声が聞こえて来て。


ベッドから出て、リビングへと行く。


「…康生さん?」


扉を開けると、ソファーに座る康生さんの近くに、知らない若い男の人が立っていた。


「この子が、康生さんが拾った女の子ですか?」


「ユウ、けっこう可愛いだろ?
まりあちゃん」


康生さんにそう言われ、そのユウって人は、そうっすねぇ、と笑っている。


そのユウって人は、多分、10代くらいかな?


私とそれ程、歳が変わらないように思う。


「康生さんに言われた通り、スマホと、まりあちゃんの着替え用意したのだけど、どうかな?」


そう言ってユウさんは、リビングの大きなテーブルの上に何個も置いてある、紙袋に目を向けた。


私はそれに近寄り、その紙袋を開けて行く。


「とりあえず、朝一でユニクロ行って来て、揃えたんだけど」

その沢山の紙袋には、服だけじゃなく、肌着や靴下や下着迄。


なんだか、これ全部私のもの?と嬉しくて、中身を取り出しテーブルに並べて行く。


「ユウさん、ありがとうございます!」


「いやいや。康生さんに言いなよ?
お金出したのは康生さんだから。
康生さんからのプレゼント」


「康生さん、ありがとうございます」


そう言うと、康生さんは笑顔だけど。


そもそも、これ、本当に貰っていいのだろうか?

服とかだけじゃなく、スマホ迄。


お金払えって言われても、そんなお金ないし。


財布の中、三千円くらいしかない。

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