嘘と、恋。
星空と、死。
「うわぁ、星が綺麗」


私の死ぬ場所として、康生さんが連れて来てくれたのは。


あの遊園地から少し車を走らせた、山の中。


山の中だけど、上を見ると満天の星空。


「まりあちゃん、本当にいいの?
気持ちは変わらない?」


「はい。殺して下さい」


そう言い切る私に、康生さんはクスクスと笑っていた。


「まだ、若いのにねぇ。
もったいない」


「そうですよね。
普通なら、これから沢山楽しい事が起こったり、将来に夢一杯ですよね」


私と同じ歳くらいの子は、みんなキラキラとしていて。


私もそんな風に、輝きたかった。


「この場所なら、すぐには見つからないと思う。
ごめんね。あんまりすぐ見付かると、色々と俺も足つくとマズイから」


そうか。私を殺す事は、康生さんも警察に捕まるというリスクを負う。


「いつもは、殺った後さっさと処理しちゃうんだけど。
今回は、そういうわけにはいかないもんね」


「はい…」


私が、誰かに殺されたと分かる状況で見つからないといけない。


そして、その犯人が、私の母親とその彼氏を殺したのだと、世間に思わせる。


「康生さんって、そんなに殺してるんですか?」


てっきり、自身の父親だけかと思っていたけど。


今の口振りだと、その他にも、沢山の人を。


それはこの人がヤクザだからか、それとは関係ないのか…。



「そうだね。俺、けっこう殺してる。
けど、俺いい人だから、余裕がある時は、どうするか相手に選ばせてあげるんだけど」


「選ばせる?」


それって、どういう意味?



「俺に惨殺されるか、大人しく首でも吊って自分で死ぬか。
大半、後者を選ぶね」


「殺されるか、自殺って事ですか?」


「そう。
自殺してくれたら、死体の処理とかしなくていいし。
俺的に、楽だから」


そうか。調べて自殺だと分かれば、警察もわざわざ、それ以上は調べないし、捕まる事もない。

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