Life is a flower
大切な人
予感通り、あの人はもう現れなくなった。

毎日、ソワソワしていたが、やはり現実はこうなんだ、おかしなことは考えずに真面目に働こう…と忘れる努力をしていた頃のこと。

ドアの開く音に顔を上げたら、会いたかった人がそこにいた。

「いらっしゃいませ」

あくまで自然体を装い、私は彼に向かって言ったが、果たしてちゃんと自然に見えていたかどうかはわからない。

「お久しぶりです。声、戻っててよかった」

そう言われ、

「あ…この前は花束、本当にありがとうございました!あのとき、驚いてお礼が言えずにいて…」

「いやー、自分でも気障かなと後で思ったんですけど」

照れたように彼が言うので

「そんなことありません!私、本当に嬉しかったんですよ…」

「それならよかった。今日は、あなたにではなくて申し訳ないんだけど、また花束をお願いできますか?」

「はい!」

こんな風に、彼は定期的に来てくれるようになった。
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