きみの笑顔は、季節外れの太陽のようで
だから、傍にいたかった
宮本くんと話さなくなってから、二週間弱が経った。

階段で「もう関わらないで」とお願いをした日から数日間にわたって届いていたメッセージも、私が一通のメッセージを送ってからは全く来なくなった。

もう、宮本くんにとっても私と過ごした時間は過去のものになったのだろうし、それは私も同じだ。

私はまだ彼との楽しかった時間を思い出して少し泣きたくなってしまう時があるけれど、それでもクラスメイトという事実を除いて全く繋がりがなくなった今、少しずつ前を向き始めているのは事実だった。

実際、私の日常は彼と出会う前のものにすっかり戻り、放課後は悠斗の部活が終わるまで教室で待つ日が続いていた。


放課後、後三十分もすれば悠斗の部活が終わる、という時、ピロンとメッセージの受信を知らせる音が鳴った。

机の上に置いているスマートフォンを手に取ると、鈴ちゃんから珍しく絵文字のない文字だけのメッセージが届いていた。

【今日、彼氏と喧嘩した。明日学校で話、聞いてくれる?】

彼氏と喧嘩……?

珍しいな。いつも憧れるぐらい仲良しなのに。

【うん、わかった。大丈夫? 今晩電話しようか?】

メッセージを打ち込んで送信する。すると、すぐに電話がかかってきた。

「もしもし」

「もしもし? 高橋?」

「あれ? 佐々木くん!?」

てっきり鈴ちゃんからの電話だと思った私は、発信者を確認する。

「どうしたの、急に」

佐々木くんとはたまにメッセージのやりとりをすることはあるけれど、電話をしたことはほとんどなかった。

「まだ学校にいたりする?」

「うん。教室にいるけど」

「よかった」

佐々木くんの声はかなり焦りを含んでいて、胸騒ぎがした。

「保健室、来てくれない? 宮本が倒れた」

「宮本くんが……!?」

教室に残っている数人が一斉に私を見たような気がしたけれど、気にすることなく教室を飛び出した。

< 131 / 146 >

この作品をシェア

pagetop