きみの笑顔は、季節外れの太陽のようで
季節外れの太陽のようで
宮本くんから事前に送られてきていた情報を元に試合会場へ急ぐ。

体育館に着くと、一段飛ばしで階段を駆け上りドアを勢いよく開けた。

自分の学校の応援席がどこなのかも確認せず、とりあえず人の邪魔にならない場所を探し、最前列まで駆けおりてゆく。

「宮本くん」

彼の名前を呟くと同時に、彼は来たばかりの私に見せるように、綺麗に曲線を描きながらシュートを決めた。

やっぱり宮本くん、かっこいいな。一番、かっこいいな。


「好きだよ、宮本くん」


怖かった。
自分の気持ちを伝えて、もう宮本くんと話せなくなってしまうことが。

苦しかった。
自分だけが、好きな気持ちをもっていることが。それに、応えてもらえないことが。

けれど、もう悟らざるを得なかった。

悠斗の試合を途中で抜け出して、ここまでやってきてしまった、全力で走ってきてしまった、自分の気持ちを。

――ねえ、宮本くん。私、いつからあなたのことが好きなのかな。

あなたを好きになった明確な日やタイミングはわからないけれど、
それでも私、あなたのことが大好きだよー…。



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