依存妻と狂愛する俺
「風愛、どうしたの?なんか、不安なことあるよな?」

「………何もないよ。未雷くんを独り占めしたいだけ。ダメ?」
「いいよ。てか!俺は風愛だけのモノだよ」

風愛をソファに座らせ、未雷が風愛の足の裏を洗い手当てをする。
「未雷くん、自分でするからいいよ」
「ダーメ!風愛の肌、ほんと綺麗だよな…!スベスベしてて……」
足の甲にキスをする未雷。

「や…やめて……」
「ん…やめねぇよ」
そのまま脛、膝、太ももに上がっていく未雷の口唇。

「未雷…く…お願…」

「だったら、教えて?」
口唇を離した未雷は、風愛を見上げた。
「え?」
「風愛が“あんなこと”言うわけがない」
「あんなこと?」

「未雷くんが欲しい」

「そんなこと……私だって、未雷くんのこと大好きだし」
「そう思ってても、恥ずかしくて言えないのが風愛なんだから」
真っ直ぐ見て言いきる、未雷。

図星だ━━━━━━━

「それに、俺に抱かれてる時にあんなに乱れてたのも気になる」
「え………?」
「俺がわからないとでも?
俺は風愛のこと、好きすぎて“狂ってる”んだよ?
風愛の行動一つ一つに、一喜一憂してるんだから」

「じゃあ、どうして?」
「ん?」
「今日ね、お買い物の途中に……未雷くん見かけたの」「え?どこで?」
「◯◯の前の広場」
「………あー、今日外勤だったから。
課長がいなくて、毎日大変なんだよなぁ」

「一緒にいた女の人、誰?」

「一緒にいた女?
あー、あれか!ただの同僚だよ」
「どうして……その“ただの”同僚にあんな笑顔見せたの?」
風愛は、既に涙が溢れていた。

「笑顔?」
「あの笑顔は、私だけのモノだよ?」
「そうだな」
「どうして!?」
「面倒だったから」
「え?」
「あの女、毎日鬱陶しく付きまとう奴でさ。
かといって、邪険にするとそれはそれで面倒だし。
あんな風に一回微笑んでおくと楽なんだ。
…………でもさ!あの笑顔、風愛も見たいの?」

「え?」

「あんな、作り物のキモい笑顔」

「未雷…くん?」
「あの笑顔は、作り物だよ?
風愛に微笑むのとは、比較にならない。
てか!なんで、あんなとこにいた?」
「だから、買い物……」

「買い物は、決まったとこしかダメっつったよな?
それ以外は、俺としか行けないはずなのに」
「ちょっと、プラプラしてただけだよ……」

「プラプラ?
プラプラって何だ?」
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