依存妻と狂愛する俺
「風愛ちゃん、おはよう!」
「赤星くん?どうしたの?」

数日後、突然赤星がマンションに現れた。

「ライに聞いてないの?」
「え?」

「風愛、今から引っ越すよ」
「は?」

風愛は放心状態で、未雷を見ていた。

「実はさ。
風愛に内緒で、家を建てたんだ。
俺と風愛“だけの”神聖な、愛の巣!」

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未雷と風愛は、身一つで新居に向かう。

“荷物は赤星達に任せて、早く家に帰ろ!”
と、未雷が言った為だ。

周りは空地ばかりの土地に、ポツンと孤立した屋敷。
それが、未雷と風愛の屋敷だ。

「風愛、この屋敷は“俺しか”開け閉めできないからね!」
「え?」
「だからね。
風愛は俺の許可がないと、本当に外に出られないから」

「は?
さっきから、何がなんだかわからない……」

「ずっと、考えてた━━━━━」
「え?未雷くん?」

「どうすれば、風愛の全てが手に入るのか」

屋敷を見上げ未雷が言う。

「この屋敷は、俺の願望そのままの屋敷なんだ」
そして屋敷を見上げたまま、フワッと笑った。

「この屋敷に入ったら、俺の許可なしでは出られない。ドアも窓も全て鍵がかかっていて、俺しか開けられない。屋敷内全てに監視カメラがついていて、四六時中俺は……風愛を見ていられる。
俺はずっと、何処にいても……風愛と一緒にいられるんだ」

「未雷くん、こんなの嫌!!
怖い……!!」
風愛は未雷の服を掴んで、懇願する。

「だったら!!!
ここから!!雄飛を消せよ!!!」
風愛の頭を指差す。

「100パー、俺“だけ”にしろ!!!!
風愛も、俺と同じ所まで落ちてこいよ!!!」
そして風愛の頬を包み込み、言葉をぶつけた。

「未雷く……」

「俺を……一人にするな………
こんな暗くて、イカれた所に一人にしないでくれ………」
未雷がすがるように呟いて、風愛の額に自身の額をくっつけた。


「傍にいるよ」
「風…愛…」
「大丈夫。傍にいる。
ここに未雷くんと住む。
でも、監視カメラは……お願い、やめて…?」
風愛は未雷の頬に触れ言う。

「…………わかった…」



「未雷くんは、本当はある意味弱い人だね」
屋敷内に入り、リビングのソファに並んで座っている二人。

「ん?」
未雷が横から風愛を抱き締め、こめかみや頬にキスをしていた。

「ちょっと…嬉しい……!」
「え?」
「私がいないと、未雷くんが壊れてしまう」

「ん。そうだよ。だから、俺から離れるなよ?」
「うん。
てか、放れられないでしょ?」


「そうだな。
……………はぁ…幸せだ…!
風愛が本当の意味で、俺のモノになってくれた」

未雷はしばらく、風愛を抱き締めていた。
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