希望をくれた君と私の物語 〜短編〜 実話です☆
幸せな毎日



〜side Noa〜


ージリリリリ。ジリリリリリリ。


けたたましくなっている目覚ましをとめて起き上がると、カーテンの隙間から太陽のするどい光が差し込んでいた。

ドアの奥からフレンチトーストの甘い匂いが漂ってくる。

バタンと勢いよくドアを開けて、我慢しきれずに「いっただっきまーす」とつまみ食いをすると、

「こら、ご飯は座って食べなさいー。」

ってお母さんに注意されちゃった。

「美味しかった!ごちそうさまー」

「あら、ならよかったわ。今日はイースト菌を増やして少しふっくら焼いてみたのよ。」



そんな幸せが溢れた会話がリビングを飛び交う。

弟の亮介も起きてきて、フレンチトーストを頬張っている。

部屋に戻って、高校に入学してから三ヶ月経って、だいぶ着慣れした制服に手をかける。

「よし。」いつもの私の完成だ。



ここまでが朝のルーティーン。
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