「沙也、答えて」


幅の広い綺麗な二重の目によぎる不安を、心配を、早く打ち消してあげたいのに。

嬉しさでうまく言葉が紡げない私は、彼の指を強く握り返す。

触れた指先からこの想いが届けばいいと、心から願う。


「私も、あなたを愛してる。ずっと、傍にいて一生を過ごしたい」


拙く、短い告白を口にした瞬間、彼が私をきつく抱きしめた。


「これからはなにがあってもずっと一緒だ。もう二度と俺から離れるな」


甘い命令に広い胸の中で何度もうなずく。

後頭部にまわされた手が、私の髪を優しく梳く。

こめかみに、つむじに、額に落とされるキスに想いが溢れて、視界がどんどん滲む。


「……もう泣くな」


いつかと同じ優しい忠告が心に染み込む。


「愛している、沙也」


耳元で吐息交じりに囁かれ、背中に甘い痺れがはしる。

そっと触れあった口づけはどんどん激しく、深くなる。

唇を甘噛みされ、思わず声が漏れる。

私の頭の後ろを支える大きな手と至近距離から香る大好きな人の香りに、涙が再びあふれ出す。

触れ合う唇から彼の愛情が伝わってくる。

いつか、赤ちゃんにパパはママに二度もプロポーズをしてくれたのだと教えたい。


――今日、私はやっと本当の意味で郁さんの妻になれた気がした。