慶太が背中を押してくれたことを、無駄にはしない。


今更自分の気持ちを誤魔化したりもしない。


だけど、だけど──。


「どうしよう梓ちゃん……接点が何も無い!」

「まあ、そうでしょうね」


完全玉砕覚悟で、駒澤くんにもう一度告白しようと決めた日からもう一ヶ月近くが経ち。


もうすぐ八月になってしまうというのに、結局駒澤くんとは少しも話せていない。


梓ちゃんには勿論全部話した。

「筒井もちょっとは良いとこあんのね」と不本意そうな顔で言った梓ちゃん。


それから、あんたは優柔不断すぎると怒られてしまったけど。


「自分の気持ち、見つけたんでしょ?」と柔らかく微笑んでくれた梓ちゃんは、私の恋を応援してくれると言ってくれた。


それから──。


「まだ話せてないの?何日目だよ」


コトン、と私と梓ちゃんの前に水の入ったグラスが置かれ、見上げると呆れたように片眉を下げる慶太が居た。