角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

お菓子の隠し味は……





家庭科の授業でお菓子を作ることになった。


「わ〜い! 久しぶりにお菓子作りだぁ」

「瑠衣、ほんとーにお菓子作るの好きだよね。今も嬉しそうな顔しちゃってるし」

「だってすっごく嬉しいんだもんっ。お菓子作るの楽しみにしてたの!」


わくわくして昨日の夜なんてなかなか寝付けなかった。

まるで修学旅行の前日みたいに。


「俺も楽しみだなぁ」


つばきちゃんと話していると、日向くんがそばへ寄って来た。


「日向くんもお菓子作り楽しみにしてたの?」

「あー、うんまぁ。でも俺はべつの意味で楽しみってことかな」


べつの……? じゃあ、お菓子を作るのが楽しみってわけではないのかな。


「……あっ、もしかして食べるのが楽しみなの?」


ピンときた私がクイズを答えるように声を張ると、「うーんまぁ、そういうことにしておくか」と苦笑いの日向くん。
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