角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

どうしよう。私、すごく変な感じ。

全然、自分じゃないみたい……。


「瑠衣が俺のこと欲しがってくれるまで、してやんない」


好きとか、キスとか、欲しがるとか……。


「先輩は、さっきからなにを……」


言っているんだろう。

ただ、私のことをからかっているだけなのかな……。


「ねえ、瑠衣。俺と賭けをしようか」

「……かけ?」

「どちらが先に溺れてキスを欲しがるか、俺に勝つか。もしも瑠衣が勝ったら、とびきりのご褒美をあげる」


甘い甘い、誘惑が、私の心を惑わしていく。


「……もし私が負けちゃったときは、どうするんですか?」


話に乗った時点で、賭けのはじまりで。


「負けたときは……俺に愛される覚悟しておいて」


ゆっくりと私に近づいて、ちゅっ、と瞼にキスを落とす。


それはまるで甘い甘い罠のようでした──。
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