角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

そうだよね……そうだよね。だって……先輩には彼女がいるんだもんね。私のことなんてもう……。


「瑠衣ちゃん?」


隣にいた日向くんが悲しそうな瞳で私を見つめる。


いけない……私ったら自分のことばかり考えて、日向くんに心配ばかりかけてる。


「あ……ううん、大丈夫だから」

「でも、」

「ほんとに……! ほら、早く行こう!」


私は強がって、前を向いた。

そうしたら、先輩のことを振り切れるんじゃないかと思って──。
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