角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

失くしたくないものとは





「瑠衣、元気ないよ。大丈夫?」


この前、先輩と廊下ですれ違ってから、どうしようもなく……先輩のことが忘れられない。


本当は会いたくて、たまらない。

声を聞きたくてたまらない。


「ううん、なにもないよっ」


会いたい、とこの感情を抑える方法が知りたい。


「だけど瑠衣、なんか顔色が良くないよ。あんまり眠れてないの?」


そういえば私、最近寝つきが悪いかも。

今まではすぐに寝られたのに……ベッドに潜っても、考えることはいつも先輩のことばかり。


「……うん、ちょっとだけね。でも平気だよ!」


こんなに暗い顔ばかりしてたらいけないよねっ。早くいつも通りにしなきゃ、つばきちゃんが心配しちゃう。


「瑠衣、そーやって我慢してばかり。私、そんなに頼りない?」

「そんなことないよ……!」

「だったら私に話してくれてもいいじゃん。私は……瑠衣の力になりたいのに」
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