これが我が一族の能力〜鎌倉時代編〜

「はい。到着!」



歩くことおよそ30分ほど。
私たちは目的地である水城家の屋敷にたどり着いた。



「愁一郎様、お帰りなさいませ」
「ただいま。この子、今日からうちで預かることになったから」
「はじめまして。私は、明里と言います。お世話になります」
「ご丁寧にありがとうございます。では、部屋を用意してきますね」
「部屋は術者用にしてね」
「わかりました」



そう言って女性は屋敷の中に入っていく。
そして私にも部屋の中に入ることに。



「お邪魔します」



私がそう言うと、愁一郎様はいきなり止まる。



「愁一郎様?」
「明里?"お邪魔します"じゃないよ。ただいまでしょ?」
「あ、そうですね!ただいま」


私が愁一郎様と話しながら屋敷の中を歩いていると、先ほどの女性が声をかけてくる。



「愁一郎様、明里様。明里様の部屋の準備ができましたのでご案内いたします」
「では頼むよ」
「明里様どうぞこちらへ」



私は女性に案内され部屋に向かう。



「こちらをお使い下さい」
「ありがとうございます!あの、お手伝いできることがあるなら何でも仰って下さい!私、料理も裁縫もできますから!」



私がそう言うと後ろから笑い声が聞こえてきた。
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